健康寿命や就労可能年齢が延びると定年後の仕事をしている期間が今よりも長くなることが予想されています。老後、年金の不足分は貯金を取崩して生活していくということがこれまでのイメージとされてきました。人生100年時代となり就労可能年齢が延びれば年金とは別に仕事からの収入をより長く受け取れるようになり、老後資金2000万円問題などはそこまで必要なくなる?なんて時代がやってくるかもしれません。
特に子育て世帯には老後資金の貯蓄が負担になっているのが現状です。今回は人生100年時代の働き方と家計への影響についてどう変わっていくのか詳しく見ていきましょう。
目次
人生100年時代とは
厚生労働省の簡易生命表(令和4年)の平均寿命では男性81.05歳、
女性87.09歳となっています。2060年の平均寿命では(内閣府平均寿命)
男性84.19歳、女性90.93歳となることが予想されています。さらに医療技術などの発展により100歳時代が訪れるのもそお遠くないかもしれませんね。
私たちの寿命も長くなることで今後の生活や家計にも少なからず影響がでると考えられます。近年の副業解禁など働き方も以前と比べ大きく変わろうとしています。人生100年時代、これからの家計に与える影響と働き方について見ていきたいと思います。
今までの働き方とこれからの働き方とは?
これまでは学校を卒業し就職して一つの会社で定年まで働き、退職後は年金を受給しながら老後生活に入ることが一つの理想形とされていました。しかし近年では長寿化で働く期間がこれまで以上に長くなることが予想されています。より自分に合った仕事を長く続けていくことが必要な時代になってきたと言えます。
本業を続けながらの副業・兼業
現代の働き方は急速に変化しています。その中でも副業にますます一般的になっています。現在副業兼業は解禁されていますが、会社の就業規則などで禁止としている企業もまだまだ多いのが現状ですが、内閣府の満足度・生活の質に関する調査報告書(2022年)によると従業員(正規・非正規)で副業を持ちたいが持っていないと回答した割合が5割程度を占め、副業兼業に関心が集まっていることも事実です。副業をすることで得られるメリットや課題について詳しく見ていきましょう。
副業兼業メリット
- ・
本業を辞めずに別
の仕事に就くことが出来る。- ・その仕事のスキルや経験が積める。
- ・自身のキャリア形成につながる。
- ・本業を続けながらより小さいリスクで将来の自分にあった仕事に向けた準備、試行ができる。
- ・収入が上がる。
注意した方がいいこと
- ・本業に支障きたさないようにする。
- ・企業によっては禁止してる場合もあり、就業規則なども事前にしっかり確認しておく。
- ・勤務時間などで体調を壊さないよう気を付ける。
副業は時間管理や法的な問題、体調管理などの課題もいくつか存在します。
個人的には副業兼業にはスキルアップやキャリアの多様化など将来的にメリットが非常に大きいと感じます。多様な働き方が求められる現代において、副業は自分の可能性を広げる有効な手段となるでしょう。
人生100年時代 家計への影響は?
寿命が延びる=今よりもっと貯金が必要なの?という声も聞こえてきそうですが、NISAやiDeCoなどの投資も必要ですが、老後のプランをスキルアップやキャリアアップで収入源を増やし、退職後も働き続けられる環境を整えることで老後に必要な資金も一部解消できると考えられます。
老後に必要なお金 今までの働き方
(例)
就労可能年齢:60歳
平均寿命:80歳
老後期間:20年
年金不足金:年間100万円×20年=2000万円
20歳から60歳までに2000万円貯めた場合
毎月約42,000円(運用なし)
老後に必要なお金 これからの働き方
(例)
就労可能年齢:75歳
平均寿命:88歳
老後期間:13年
年金不足金:年間100万円×13年=1300万円
20歳から60歳までに1300万円貯めた場合
毎月約27,000円(運用なし)
仮に健康寿命や就労可能年齢も延びて今より長く働き続けた場合、今まで必要とされてきた老後の資金を大幅に減らすことができるようになります。
上記は極端な例ですが、健康管理やスキルアップを通じて長期的に安定した生活を送るための準備を怠らないことが、これからの時代を豊かに生きるための鍵となりそうですね。
人生100年時代 健康づくり
人生100年時代の働き方で健康づくりは重要な部分でもあります。
定期的な運動(ウォーキング、筋力トレーニングなど)、バランスのとれた食事を心掛けて体力を維持する。
精神的な健康面も重要な要素です。家族や友人とのコミュニケーションを大切にしたり、 ストレスを溜めないよう適度な休息や趣味の時間を確保する。
定期的な健診で病気の早期発見、早急治療が可能になります。
健康管理に努めることでより長く仕事ができ、長期的な医療費の抑制にもつながります。
まとめ
今はどこに行っても人生100年時代だからお金を貯めましょう!と言われており、家計管理は従来以上に重要な課題となっています。
老後は引退というプランを少し変えていくだけで、老後資金を貯める負担を減らすことができるかもしれませんね。
人生100年時代、いくつになってもやる気に満ち溢れる仕事で活気ある社会で長く充実した仕事人生を送る。そんな時代があっても楽しいかもしれませんね。